介護で高齢者の方が強い咳払いで苦しそうにむせたりすると、「何をすればいいの?」と悩んだりしませんか。簡単な対処法ですが、むせたときの対処法が曖昧だったり自信のない方に、高齢者のむせたときの対処法をご紹介します。
利用者さんが食事中にむせたとき、背中を叩いたりさすったりするんだけど、
これでいいのかしら?
むせるってことは、異物を吐き出そうとしてるんです。
私たちは、むせる動作を助けてあげるといいんですよ!
高齢者がむせるときの対処方法
むせるときの状態は、食べ物などが気管に入っています。
「気管じゃないよ」「食道だよ!」ということを教えて、食べ物などの異物を気管から出すためにむせが起こります。
ですから、苦しそうでもむせを止めてはいけません。
具体的な対処方法は3つです。
- むせたときは前屈みの姿勢にする
- 背中をさする
- 食事中のときは一旦休む
むせたときは前屈み姿勢
むせやすくするためには、姿勢を前屈みにします。
飲み込んでしまったものを出す動作を手伝うためです。
前屈みにすることで、少ない力で吐き出しやすくなりますし、吐き出したものをまた気管に戻すことを防ぎます。
喉よりも口の方が下になるくらいの前傾姿勢ですと、なお効果的です。
しかし、食事中の場合は極端な前屈みが難しいので、負担のない角度の前屈み姿勢からはじめましょう。
背中を叩く前にさすってみる
むせるときは、気管の入り口で異物を吐き出そうとしています。
前屈みの姿勢になったら、背中を下から上へさすってみましょう。
むせたときに背中を叩くと、気管に入りかけた食物を気管に落としてしまうこともあるので注意が必要です。
できるだけ、背中をさすってむせを出しやすくしましょう。
それでもむせが続くときには、前屈みの姿勢にしてタッピングをします。
タッピングは、背中を叩いて異物を出す方法です。
手をお椀の形にして、背中を軽くトントンと叩きます。
咳を出すタイミングに合わせて叩きましょう。
異物を排出するだけの強い咳をさせるために行います。
食事のときは一旦休む
食事中にむせた時には、一旦食事を中止しましょう。
むせがとまった状態ですぐに食事をはじめるてしまうと、最後までむせることができないこともあります。
「落ち着いたかな」と思ったら、大きく深呼吸してもらいます。
そのときに、むせがなければ食事を続けます。
高齢者のむせる原因って何?
利用者さんでむせやすくなった人がいるんだけど、どうしてかしら・・
高齢者の方の場合は、飲み込む力が弱くなっていることが多いんですよ。
引用元:ekenkoshop.jp
食事中のむせはなぜ起こる
食事中にむせる原因は
- 気管にフタをするタイミングが合わない
- フタをする力が弱くなっている ためです。
口から入った空気は気管に流れ、食べ物は食道に流れますが、気管にフタをすることで食べ物を食道に運ぶことができます。
そのフタの役目が弱くなると、気管に入りやすくなりむせの原因になります。
食後は飲み込めないことが原因
食後にむせる原因は
- 一度で飲み込めない
- 口の中にいつまでも食べ物が残っている ためです。
一度で飲み込めない食べ物が口の中に残り、体を動かした瞬間に気道に入ってしまうことがあります。
また、食べた物が口の中にいつまでも残っていると、粘ついた唾液が絡みつきやすくなり、食事の後に気管に入り込むとむせます。
高齢者に多い 水分でむせる原因
高齢者で、むせが多くなりはじめる原因は水分です。
水分は流れる速度が速く、フタを閉じるタイミングが合わずに気管に入りむせやすくなります。
高齢者でむせることが増えた対処
できれば、むせないようにするのがいいと思うんだけど、
どんなことに気を付けたらいいかしら・・
むせを予防するには、
首の体操をしたり食事の形態を変えることも考えていきましょう。
首の体操でむせを予防する
飲み込む力をつけるために、首の体操を取り入れましょう。
- 顔が上を向くようにしてから下を向きます
- 顔を左右に向けます
- 頭を左右の肩につくように交互に傾けます
- 頭を回します
刻み食で注意すること
食形態を刻み食に変更したときは、汁物と混ぜないようにします。
みそ汁の具を刻みにして、みそ汁の中に入れてしまうと、液体の汁と細かくなった食品を同時に飲み込むことになります。
小さくなった食品が液体の汁で勢いよく流れてしまい、気管に入りやすくなってしまいます。
みそ汁の具を刻みにして入れるときは、汁にとろみをつけるとむせにくくなります。
まとめ
高齢者の方がむせたときの、具体的な対処方法は3つです。
- むせたときは前屈みの姿勢にする
- 背中をさする
- 食事中のときは一旦休む
高齢者の方がむせて苦しそうにしても、むせを止めてはいけません。
気管に入った異物を、咳をすることで排出しようとしています。
落ち着くまで背中をさすっていると、徐々に落ち着いてきます。
慌てて背中を叩くと、気管に落ちてしまうので注意してください。
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