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認知症の薬を『やめる』とどうなるか 実例で紹介

認知症の症状

認知症には4種類のおがあります。認知症の進行を遅らせるためや、穏やかに過ごせるために使われています。認知症は、必ず飲まなければならないものではありません。では、飲んでいたやめるとどうなるのでしょうか。

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『認知症の薬をやめる』グループホームの例

グループホームに、8年前から入居している99歳の女性Aさん。

夕食後に飲んでいた「メマリー15㎎」の服用が中止になりました。

「認知症の薬をやめる」方がいいとの話も聞いていますが、どのような経過をたどるかを見ていきます。

Aさんの入居当時の様子

ご家族の都合で、グループホームに8年前に入居。

当時から暴言や帰宅願望が強く、夕方になると落ち着いていることが出来ない方です。

その後、アリセプト10㎎が処方され服用していました。

3年前に認知症の薬が変更に

3年前ころから、暴言や帰宅願望が一層強くなっていて、職員の対応が何度も検討されていました。

そのような経緯があったためか、認知症のお薬はアリセプトからメマリー15㎎に変更になりました。

お薬の変更後も、暴言や帰宅願望は続いていました。

しかし、その回数は激減し、たまに症状が現れても対応に苦慮するほどではありません。

2週間前に『認知症のお薬をやめる』

お通じが滞ったり、空腹だったりすると認知症の症状が現れ、何かしらの理由が隠れているようでした。

職員たちも対応に慣れはじめていたころです。

『認知症のお薬をやめる』ことになりました。

もちろん、主治医からの指示です。

しかも、少しずつ減量するのではなく、一気になくなりました。

『認知症のお薬をやめる』理由については、詳しくは職員に話はありませんでした。

99歳という高齢であることや、症状が落ち着いているためだと思われます。

1週間ほどで薬が体から抜けること、1ヶ月ごろから症状に変化があるかもしれないとのことでした。

『認知症のお薬をやめた』4日後の夜

お薬を飲んでいても、夕方になると家族(既に他界されている)を探し始めますが、夕飯を早めに出して召し上がると、落ち着くことが多いのです。

しかし、認知症のお薬をやめて4日後の夜から、暴言と帰宅願望が一層強くなりはじめました。

「帰らないと母が心配しますから・・」と、どうしても帰ろうとされるため、両手を引いて外へ出ますが、外気が冷たいためすぐに戻ってきます。

夕飯後も職員を呼び止め「早くしなさいよ!」と、ご自分の対応が後回しになると、苛立ちが一層強くなっています。

『認知症のお薬をやめた』10日後

このような症状は10日目も続いています。

夜9時ころ~11時になってようやく眠くなるようで、お部屋に案内します。

3時頃になると目が覚めてしまい寝付けなくなるようで、お部屋とトイレを何度も行き来されます。

30分程のうち4.5回出入りを繰り返し、寝付くのは1時間後くらいです。

2週間後の日中の様子

朝は8時前後に、ご自分のペースで起床されます。

以前は、起床後から午前中の間はうとうとすることが殆どでした。

認知症のお薬をやめて2週間が過ぎるころ、レクリエーションの時間(午前中)には、しっかりと目が覚めて、99歳とは思えない機敏な動きで体操をされます。

認知症のお薬をやめてから、うとうとする時間が短くなったように思います。

とてもよく話をすることが多くなりました。

ちょっぴり困るのは、落ち着いて話を聞いていないと怒りだしてしまうことでしょうか。

認知症の薬 種類は4種類

現在、認知症のお薬として使われているのは4種類です。

  1. アリセプト(一般名 ドネペジル塩酸塩)
  2. レミニール(一般名 ガランタミン臭化水素酸塩)
  3. イクセロンパッチ・リバスタッチ(一般名 リバスチグミン)
  4. メマリー(一般名 メマンチン塩酸塩)

これらは、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬である「アリセプト」「レミニール」「イクセロンパッチ・リバスタッチ」と、NMDA受容体拮抗薬である「メマリー」に分けることができます。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

「アリセプト」「レミニール」「イクセロンパッチ・リバスタッチ」

NMDA受容体拮抗薬

「メマリー」

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

この薬は、アセチルコリンという神経伝達物質の減少を防ぐお薬です。

脳を元気にするお薬ですが、お薬が合わないと苛立ちや攻撃的な行動、焦燥感などが現れることもあります。

NMDA受容体拮抗薬

このお薬は、脳の神経興奮伝達物質であるグルタミン酸の働きを抑える働お薬です。

興奮した苛立ちの感情を抑えて、気持ちをおだやかにしてくれる働きがあります。

認知症の薬 副作用にはどんな症状があるの?

どんなお薬を飲んでも、人によっては体にあわず副作用が出る場合があります。

認知症のお薬にも、副作用があります。

処方されたときにはお薬情報という、お薬の内容や副作用について書かれている用紙を渡されますので、よく読んでおきましょう。

ドネペジル塩酸塩(アリセプト)の副作

主な副作用

発疹・かゆみ・食欲不振・吐き気・下痢・興奮・不穏・不眠など

ガランタミン臭化水素酸塩(レミニール)の副作用

主な副作用

吐き気・嘔吐・食欲不振・下痢・食欲減退・頭痛など

 

リバスチグミン(リバスチグミン・リバスタッチパッチ)の副作用

主な副作用

皮膚のかぶれ・発赤・かゆみ・腫れ・吐き気・食欲減退など

メマンチン塩酸塩(メマリー)の副作用

主な副作用

めまい・便秘・体重減少・頭痛・食欲不振・血圧上昇・浮腫など

認知症の薬をやめる時に考えておくこと

認知症の薬は、物忘れの症状が強く出ているときや、周囲の人たちの対応に困ったときに処方されています。

 認知症の薬は、必ず必要なものとは限らないと言われています。

ある意味、認知症の薬を飲むか飲まないかは、選択することができるわけです。

介護施設で看取りの時期に入られた利用者の方は、認知症の薬をやめることが殆どです。

認知症の薬をやめたことによって、症状が改善する場合もあるようですが、実際やめてみないわかりません。

やめるにあたっては、医師に相談することが大切です。

さいごに

認知症の薬は

  • 神経伝達物質の減少を抑えるか(元気にする)
  • 興奮した神経伝達物質を抑えるか(おだやかにする) 

という2種類の違いがあります。 

 専門的には、その他にもいろんな違いがあるのでしょうが、薬剤知識がなくてもこういう事を押さえて覚えておくと、役に立つと思います。

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