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認知症 パーキンソン症状と仮面様顔貌

仮面認知症の症状
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認知症とパーキンソン症状

レビー小体型認知症では、パーキンソン症状が現れます。
特徴的な大きな症状としては

  • 振戦・・手足のふるえ
  • 無動・・動きが遅くなる
  • 固縮・・筋肉が硬くなる
  • 姿勢反射障害・・姿勢のバランスが悪くなる

その他にも症状がありますが、無表情で仮面様顔貌の症状がある80歳代の女性の利用者さんについてみていきます。

仮面様顔貌とは

仮面様顔貌とは、無表情でまばたきも少なく一点を見つめるような顔つきが特徴の症状です。
表情を変えないため、日ごろ笑うことも怒ることもないので、コミュニケーションが難しくなります。

しかし、『表情を変えられない』のではなく、口角を上げたりする動作が大変なのです。
写真を撮るために「笑ってください」とお願いすると、ゆっくりと少しだけ口角を上げ、もっと頑張ると目を少しだけへの字にすることができます。

そんな症状をもって利用者さんが、グループホームに入居してきました。

一点を見つめる

利用者さんの中には、パーキンソン症状のある方もいますが、仮面様顔貌の方はいませんでしたので、表情を変えない様子にとても違和感がありました。

ずーっと一点を見つめて、まばたきしない様子は「目が乾かないかなぁ」「目が疲れないかなぁ」と思わずにはいられません。

パーキンソン症状の場合、多少表情が少ないものですが、こんなにまで表情がないと、本当に仮面をかぶっているように感じます。

反応がないと・・・

私たち介護者も人間ですから、相手に笑顔があったりすると、元気もやる気も出るものです。
しかし、この方の場合はお願いしないと笑顔には、お目にかかれません。
少しずつ声掛けが少なくなっていました。

仮面の下にある気持ち

入居して1年ほどが過ぎたころ、この利用者さんの食欲は減退していました。
好き嫌いが激しく、野菜などを残すことが多かったので、食事を残しても「嫌いな食べ物」のリストが増えていくだけでした。

今まで残さずに食べていた主食を、残すようになって食欲がなくなっていることに気付きます。

この頃、この利用者さんがとても信頼していた職員が移動になり、一層この方にに話しかける職員がいなくなっていました。
もちろん「これから食事ですよ」「体操しましょう」などの声掛けはしていましたが、利用者さんの話を聞くことが少なかったのです。

認知症パーキンソンの人の気持ち

この利用者さんの異変に気付き始め、声掛けを増やした時のことです。
高校野球の有志を伝えたり、台風の様子を伝えたり、花壇で花が咲いている様子を話しても、「あぁ、そうなの」と会話は終わってしまいます。

そして、次に「早くお父さんのところへ行きたい」「なんの役にも立たないから、どこかに捨ててください」となるのです。

この利用者さんが食べられるようにゼリーを作った時のこと。「たくさん食べてくださいね」と彼女に話しかけると、彼女はいつも通り表情一つ変えないで「最後の晩餐ですね」と言いました。

皆さんもご存じだとは思いますが、「最後の晩餐」というのは、レオナルドダヴィンチが壁画として残した、キリスト最後の晩餐の様子で、この後キリストは十字架刑に処せられます。

ゼリーが晩餐になるのではあまりに悲しいはなしですが、この方の気持ちに意欲がないことを物語っていました。

この利用者さんはゼリーをきれいに食べました。
「おかわりしますか?」と伺うと、「もう結構です」と言って、いつもの様に一点を見つめていました。

最後の晩餐・・が意味するもの

この利用者さんは入所当時から、いつも不安でした。
「自分が何をどうしたらいいのか」わからずに、心配でたまらないのです。
夜は真っ暗な部屋では眠ることができません。

ただでさえ不安な利用者さんは、誰も話しかけない自分の世界で、どうしたらいいのか迷うのではなく「どうでもいい」「死んだほうがましだ」という気持ちに、変化していったのかもしれません。

さいごに

認知症を患う利用者さんはさまざま症状と共に、それぞれの気持ちを抱えて生活されています。

介護者である私たちは、反応があまりない方や介助が少ない方には、声をかけることも少なくなってしまいますが、意識して関り持ちながら介護を行っていきたいものです。

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