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『タクティールケア』認知症介護に奇跡を見た

手を繋ぐ老人認知症の症状
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スウェーデン発祥の『タクティールケア』をご存知ですか?赤ちゃんに触れるように、やさしくマッサージを行う技法です。手や足そして背中にその技法を用いて触れることで、認知症介護に奇跡的な効果をもたらします。

タクティールケアとは

ラテン語で『触れる』を意味するタクティールは、まさに触れることに特化したケアの技法です。手・足・背中にそれぞれやり方があり、手・足ではタオルによる保温を行い、オイルを使用して行います。

タクティールケアの受講を受け、100回の実技レポートを提出して試験を受けると、資格を得ることもできます。

手・足の技法(手技)

両手両足をバスタオルで包み保温してから行います。マッサージ用のオリーブオイルを数敵使いながら摩擦を和らげ、片方ずつ10分間(両手20分・両足20分)でマッサージしていきます。

手の手技は、指・手の平・手の甲・手首を、クルクル回しながらまたはスーッと撫でるようにマッサージしていきます。足の手技は、指・足背・足底・足首を、手の技法と同じように行います。

背中の技法(手技)

背中にはバスタオルやオイルを使用しないので、施術しやすい部位になります。背中全体を回したり、放射線状に触れたりして行います。両手で行ったり、片手ずつ行う手技を10分間行います。

認知症介護でタクティールケアを実践

言葉のコミュニケーションが出来る方の場合は、効果を言葉で確認できました。「気持ちいいね」「温かくなるよ」と言っていただけます。しかし、寝たきりの状態で自発語がなくなっている方の場合はどうでしょう。本当に効果があるのかを実践してみました。

自分で話すことがない発話の障害

80歳代の彼女が転倒後に、寝たきりの状態となって半年が過ぎたころです。グループホームに入居していましたので、月に一度ご家族が面会に来るだけで、介護士以外に声をかける人は他にいません。この頃には問いかけに反応がなく、自分から発する言葉はほとんどありませんでした。

彼女の体にはたくさんの管が付けられ、食事を摂れる状態ではありませんでした。自室で寝たきりとなった彼女は、整容やオムツ交換などで、介護士たちに見守られていましたが、一切の反応がありません。

タクティールケアを施術する

彼女の状態は日に日に悪化を見せていました。巡視がこまめに行われ、バイタル測定を日に何度も行っていました。

介護士が彼女にタクティールケアを、行うようになったのはこの時です。背中の施術は姿勢が難しいので、手や足にマッサージを行います。正規の技法では20分ですが、10分から15分ぐらいに短縮し何とか行えました。

もちろん施術が終わっても、彼女からの言葉は一切ありません。気持ちがいいのか嫌なのかも判別は難しいようでした。それでも、彼女に出来ることの一つとして続けていました。

介護士だから感じるこころ

夜間にタクティールケアを行っていたときのことです。しっかりと目を見開いていたので、覚醒状態が良い状態でした。

「今日もありがとうございました」と介護士があいさつをして、物品の片づけをしていた時です。彼女は両手を少し上げ、クルクルと手で小さな円を描いていました。自分で体を動かすこともなかった彼女が、両手を挙げている。小さく円を描く動作は、マッサージの技法に含まれています。

気持ちがよかったのでしょうか、それとも続けてやって欲しかったのでしょうか。いろんな意味にも受け止められましたが、これが最後の彼女の意思表示となりました。数日後、彼女は病院に搬送されたのです。

『触れる』というケアは介護の基本ですが、ただ触れるときよりもマッサージのような形で触れるほうが、介護士としても技術を成し遂げるという目的が加わり、接しやすいのではないかと思います。

タクティールケアにこだわる必要はありません。介護をする人たちは、相手を「見て」「話して」「触れる」が基本ですから、その中の方法の一つとしてタクティールケアを取り入れてみるのもいいと思います。

タクティールケアの資格もあります。
私が受講していた頃は、実習の回数が多くレポートもありました。

でも、資格にこだわることなく、身近に実践してみるのをおすすめします。

書籍があったので、手に取ってみて下さい。

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