高齢者の方は体調を崩しやすいものですが、嘔吐することがあると心配になります。
突然の嘔吐があると慌ててしまうものですが、一般的な対応を覚えておくと役に立ちます。
高齢者施設で行っている対応と消毒の方法をご紹介します。
高齢者が嘔吐したときの対応
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おばあちゃん、突然吐いちゃったの!
ビックリしたわ。
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心配ねぇ。吐いた時ってどうすればいいのかしら?
高齢者が吐いている時や直後の対応
高齢者が嘔吐しているときは、意識があるか否かをはじめに確認します。
意識がない・ろれつが回っていない状態では、救急車の要請が必要になります。
「大丈夫?」と質問すると苦しそうでも返事がある場合は、ご自宅で出来る対応を行っていきましょう。
嘔吐している時は
- すっかり吐き出してしまう
嘔吐した直後は
- うがいをする
- 横になり休んでもらう
- 片付けには換気をする
落ち着いてきたら
- 水分補給をしてもらう
嘔吐している時の対応
高齢者の方が突然嘔吐した時は、吐き気が治まるまで前かがみの姿勢になってもらいます。
胃の中が空になると吐き気が治まることが多いので、吐きたい物が戻らないようにします。
全て出し切ってもらうよう、背中をさすってあげるとよいでしょう。
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吐き気がある間は、
出し切るようにするのね。
嘔吐した直後の対応
吐いた後はうがいをしてもらいましょう。
口の中は、吐いた時の臭いやぬるぬるとした感じが残り気持ち悪いものです。
吐いたままの状態でいると、また嘔吐を誘発することもあります。
冷たい水や薄めの塩水でうがいしてもらうと、口の中がサッパリとします。
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冷たい水か塩水で
うがいするといいのね。
うがいが終わったら、ゆっくり休んでもらいましょう。
また、嘔吐することもあるので、ご家族がすぐに対応できる場所で休んでもらいましょう。
もしまた嘔吐したときでも、横向きで休んでもらうと汚物を誤嚥する可能性が少なくなります。
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横向きで休んでもらうのね!
汚物の片付けは換気をして行います。
嘔吐の原因には、ウイルスなどによるものもあるので、換気をして空気の入れ替えをしましょう。
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臭いで気持ち悪くなっちゃいそうだから、
換気は必要ね。
落ち着いてきたときの対応
嘔吐が止まり吐き気も治まってきたら、水分補給をしてもらいましょう。
嘔吐による脱水を予防するために、吸収率の高い水分で補給します。
また、冷たいと胃への刺激となるので常温のものを飲んでもらいます。
スポーツドリンクやオーエスワンなどの、水分に塩分や糖分の含まれている常温のものにするとよいでしょう。
症状が治まっていないと、水分でも胃に入ると刺激物となるので嘔吐を誘発してしまうので注意します。
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吐き気が落ち着いたら、
スポーツドリンクを飲んでもらうわ。
受診したほうがいい嘔吐
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嘔吐したときは、
病院に行った方がいいのかしら?
嘔吐の症状があるということは、体に何かしら刺激が加わっています。
一時的ですぐに回復するときもありますし、緊急な受診が必要なときもあります。
症状をみて緊急性を判断してみましょう。
緊急の受診が必要な症状
- 嘔吐して意識がないとき
- 激しい嘔吐が続くとき
- 水分を飲んでも嘔吐するとき
- 嘔吐の他に頭痛やしびれなどがあるとき
近日中に受診が必要な症状
- 嘔吐を繰り返すとき
- 吐いた汚物に血や茶色いものがあるとき
- 嘔吐の他に発熱や下痢があるとき
様子を観察してみる
- 嘔吐が一度で回復が早いとき
嘔吐して意識を失った方を救急搬送したことがありますが、いろんな検査をしても原因はわからず仕舞いでした。
胃腸炎などのハッキリした原因が見つかることもありますが、高齢者の方の場合は原因が不明なこともあるようです。
それでも、嘔吐した後にいつもと様子が違うときは、一度主治医に相談してみましょう。
嘔吐したときの消毒
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嘔吐したときの
消毒液の作り方を知りたいわ。
嘔吐したときは、汚物をペーパーで集めビニール袋に入れて消毒します。
周囲にも飛び散っていることがあるので、ペーパーに消毒液を含ませて拭き取りましょう。
このとき、ビニール手袋を使うと感染を予防できます。
消毒液の簡単な作り方
用意するもの
- 500mlのペットボトル
- 塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)
作り方
ペットボトルの蓋に、キッチンハイターの漂白剤を1杯入れて水500㎖で薄めます。
キャップ1杯の漂白剤では、色落ちが気になるときにはキャップ半分にします。
嘔吐したとき衣類が汚れている
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嘔吐したときに、吐いたもので洋服も汚れちゃったの。
おばあちゃんのお気に入りなんだけど・・
衣類が汚れてしまったら、漂白剤では色落ちが気になります。
そんな時には、熱湯で消毒しましょう。
- バケツに水を入れ下洗いをします。
- 大まかな汚れがとれたら、85度のお湯に1分以上浸します。
- その後、他の物と分けて洗濯します。
85度のお湯は、鍋に水を入れ沸かした時に小さな泡が出で来るとおおよそ85度です。
嘔吐のときの便利キット
高齢者施設では、嘔吐の時の対応として使う用品をまとめて用意しています。
- ビニール手袋(汚物を直接に触らない)
- エプロン(衣類を汚染させない)
- ビニール袋(汚物をまとめる)
- マスク(口への感染を防ぐ)
- 新聞紙やペーパー(汚物を広げない・まとめる)
- 消毒液をつくるためのペットボトル(適切な消毒液をすぐにつくる)
- 厚紙(汚物を触らずにまとめる)
ご家庭でも一式用意しておくと、いざというとき感染を予防できますよ。
どれもご家庭にあるもので準備できますが、探してみると商品としても売られていたので下記にご紹介します。
まとめ
高齢者が嘔吐したときの対応
嘔吐している時は
- すっかり吐き出してしまう
嘔吐した直後は
- うがいをする
- 横になり休んでもらう
- 片付けには換気をする
落ち着いてきたら
- 水分補給をしてもらう
消毒液は500mlのペットボトルに、キャップ0.5~1杯のキッチンハイターを入れ水で薄めて作りましょう。
作り置きすると効果が薄れてしまうので、その場で作るようにしてくださいね。
高齢者の方が落ち着くまで、そばに付き添ってあげると安心できると思います。
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