認知症の症状で昼夜を問わず叫ばれ続けると、介護者にとってはかなりストレスになってしまいます。認知症で叫び続ける症状を「止めさせたい!」と思うことはありませんか?介護職員が知恵を絞った方法をご紹介します。
『認知症で叫び続ける』試して欲しい対応法
『認知症で叫び続ける症状』は、介護者にとってかなりストレスとなる症状です。
認知症で叫ぶ症状を変えるには、
- 環境を変えること
- 行動を促すこと
この2点が重要です。
「叫び続ける」という行動は、「何をしていいのかわからない」という心情に「苛立ち焦る」という心情が加わっています。
このような症状のある方を散歩に連れ出し環境を変えると、「熱い!」「寒い!」と叫ぶことはありますが、叫び続けるということはありません。
また、「家事活動をする」「塗り絵をする」「ゲームをする」など何か行動をおこしている時にも、叫び続けるという症状はありません。
認知症で叫び続ける人の対応は一人では難しい
『認知症で叫び続ける症状』があるときは、家族介護や一人での対応は難しいと言えます。
症状が続くということは、常に「不安」や「焦り」が気持ちの中にある状態です。
乳児ならば背に負ぶって行動できますが、高齢者の場合はそうもいきません。
介護者が傍を離れた瞬間から「不安」になり、対応がないことで「焦り」が生じます。
行動を促した場合、何かをしている間は叫び続けることはありません。
しかし、30分以上になると行っていることに、集中力が途切れてしまいます。
愛情のあるご家族でも、30分ごとに何かしら行動を促す準備をするのは、至難の業と言えます。
認知症で叫び続ける症状は介護職でも対応が難しい
認知症で叫び続ける症状は、介護職でも対応が難し症状です。
一対一の対応が出来れば症状も落ち着きますが、一日中付き添っていることは出来ません。
日中の対応が少なく、体力が温存されると夜間にも叫び続ける症状は続きます。
介護経験を活かし試みている実際の方法
介護経験でわかったことは、認知症で叫び続ける症状には「不安」と「焦り」を軽減する方法しかないと考えています。
実際には関りを持つことです。
施設の対応では、午前中に散歩をしたり軽体操をします。
午後は、リハビリをしたりゲームをします。
家事活動なら、テーブル拭きや茶碗拭き、洗濯物を畳んだりしています。
何度も「○○さ~ん!(職員でも家族でもない名前)」と呼びますから、「は~い!」と返事をします。
すぐに対応できなくても、返事だけはしておきます。
職員が入れ代わり立ち代わり対応できている日中は、夜間帯はぐっすり眠ることが出来ます。
認知症で叫び続ける症状は脳血性疾患に多い
介護職歴で気づいたことは、『認知症で叫び続ける症状』の方は脳血性疾患の方に多いことです。
脳血管性疾患というのは、脳の血管が破れたり詰まったりして、障害を受ける疾患です。
障害を受けない部分の脳機能は保たれているので、「まだら呆け」とも言われています。
漢字カードを読んでいただくと、「鯱(シャチ)」「海豚(イルカ)」「栗鼠(リス)」など、介護者が読めない漢字を答えられたりします。
百人一首の下の句でカルタ取りが出来る方もいます。
脳血管性疾患は脳出血や脳梗塞などで、心不全・高血圧・糖尿病・一過性脳虚血発作がある方はリスクが高くなります。
叫び続ける症状がある方に多いのが、車椅子の生活をしていることです。
麻痺があったり足の筋力が弱くなって、自分の力では自由に歩くことが難しい方が多いです。
自力で歩ける方もいますので、一概に言い切れないところもありますが・・
まとめ
認知症で叫ぶ症状をおさえるためには、
- 環境を変えること
- 行動を促すこと
この2点が重要です。
甲高い声で叫び続ける方の場合や、意思疎通が難し方の場合は、行動を促すことが困難になります。
散歩に出かけたり、外出して環境を変えると叫び声が少なくなります。
「不安」や「苛立ち」の表現なのですが、一日中叫び続けられると介護者にとってかなりの負担になってしまいます。
ご家族であれば介護サービスを利用されることをおすすめしますし、介護職の方であれば交代で取り組むことをおすすめします。
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