はじめて車椅子を使って介助するとき、坂道や段差があるとヒヤッとすることがあります。エレベーターを使うときは、前から入ったらいいの?など考えますよね。そんな時に役立つ、車椅子で介助するときの使い方のポイントを紹介します。
車椅子の名称を知ろう!
介助するときによく使う名称
車椅子の名称を覚えておくと便利です。
車椅子の介助で特によく使う、4つの名称は次のものです。
- アームレスト 又はアームサポート(ひじかけ)
- フットレスト 又はフットサポート(足台)
- テッピングレバー(介助者が足で踏むバー)
- レッグレスト 又はレッグサポート(足が後ろに落ちないよう、足の置き場所を安定させる)
画像引用元:介護用品卸センター
介助するときによく使う名称なので、はじめにこの4つは先に覚えておきましょう。
走行するときによく使う名称
車椅子を安全に使うためには、車輪とブレーキが重要ですから、どのようなブレーキがあるのかを確認し、前輪と後輪の役目も確認しましょう。
- 介助用ブレーキ(介助者が一時停止するときに使い、ないものもある)
- 駐車ブレーキ(完全に止めるときに使う)
- キャスター(360度回転し方向を決め、溝にはまりやすい部分)
- 後輪(自走用と介助用で大きさに違いがある)
車椅子の使い方のポイント
車椅子のひろげ方とたたみ方
車椅子は使用しないときに、コンパクトに折りたためるものが多くあります。
はじめに使うときに、知っておく必要があるのが車椅子のひろげ方とたたみ方です。
たたみ方
- フットレスト(足台)を上げる
- 座シートの前(足の方)と後ろ(お尻の方)の中央部分を持ち、同時に持ち上げる
- 左右の握りであるグリップを持ち、同時に内側にたたむ
ひろげ方
- 左右の握りであるグリップを持ち、少し広げる
- 座シートを両手で押すようにしてひろげる
車椅子に乗ってから、フットレストを下げ足を乗せます。
ブレーキには2種類ある
車椅子のブレーキには、駐車ブレーキと介助用ブレーキがあります。
いずれも、後輪を固定させるものです。
駐車ブレーキは、ミニタックルとフットブレーキに分かれます。
ミニタックルは、ブレーキレバーを引くとロック。
フットブレーキは、ペダルを介助者の足で下に倒すとロックします。
ほぼすべての車椅子についているのがミニタックルで、自走するときも介助するときもどちらも使えます。
ミニタックルは屈む動作を伴うため、介助の回数が多くなると介助者の腰に負担がかかります。
フットブレーキは、介助者が足でペダルを上げ下げできるので、介助者の腰に負担の少ないブレーキです。
介助用ブレーキは、握り部分であるグリップを握りながら介助用ブレーキを握るとロックされます。
ロックは一時的なもので、手を離すとロックが外れます。
車椅子を介助するときのポイント
車椅子を介助するときに、覚えておきたいポイントは次のことです。
- 段差を乗り越える
- 階段で引き上げる
- 坂道の上り下り
- エレベーターの入り方・出方
車椅子を介助 段差と階段
段差が1段だけの介助
- テッピングレバーを踏みながら、握りハンドルを下方向に押し下げる
- キャスター(前輪)があがるので、段差の上にキャスターを乗せる
- 後輪を段差に添わせながら、乗り上げていく
段差が1段だけのときや奥行きのある段差は、1人で介助できます。
階段などの段差
車椅子を使うときの段差の場合、1段ごとに車椅子の後輪が床に着地している必要があります。
公共施設などでは、1段ごとの面積が広いところもありますが、一般的な階段は面積が狭いため、1人での介助は危険です。
そのため、2人以上で車椅子を持ち上げて移動しなくてはなりません。
スロープやエレベーターを利用しましょう。
車椅子の介助 坂道や砂利道
坂道 上り坂と下り坂
上り坂は、車椅子を前向きで進みます。
下り坂は、後ろ向きで進みます。
前向きで進むと、車椅子に乗っている方は、地面が接近して転がり落ちるように感じます。
砂利道などの凸凹なところ
後ろ向きで進みます。
キャスターは、回転する小さい車輪で、凸凹などがあると溝にはまりやすいので、後ろ向きで進みます。
網目のある下水の蓋の上を進むときも、後ろ向きで進みましょう。
車椅子の介助 エレベーター
エレベーターで気を付けるのは、エレベーターと床の間の溝の部分です。
キャスターが溝にはまらないように、
後ろ向きで入りエレベーター内で方向を変えて、
後ろ向きで出るのが一番安全です。
しかし、他にエレベーター内に人がいたり、回転する広さがない場合もあります。
エレベーター内に人がいる場合は、車椅子による威圧感を与えないために後ろ向きで入ることが多くなります。
さいごに
車椅子の操作はそう難しいものではありません。
しかし、移動する手段であるため危険は伴います。
走行中に車椅子に乗る方の衣類が、車輪に入り込んでいないか
シッカリと座面の奥に座っているかなどを確認して、安全に使いましょう。
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