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介護の『ミトン』 介護施設で『ミトン』を使わない工夫

ミトンを考える介護士親が認知症になったら
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認知症の症状のある方に、おむつ外しや便を触るなどの行動があると介護者にとっては、ストレスの多い行動となってしまいます。『ミトン』の手袋をすることによって行動を抑制できますが、介護施設では身体拘束の用品となり、『ミトン』を使わない工夫がされています。実際、介護施設で行っている『ミトン』を使わない工夫を見ていきましょう。

介護で『ミトン』を使うワケ

認知症の症状が進行すると、徐々に身体機能が低下し寝たきりとなることが増えていきます。

認知症の進行で判断力が低下し、今までなかった行動も出はじめます。

  1. 自分の体をただれるほど掻く
  2. おむつを外してしまう
  3. 自分の便を触る
  4. 点滴や胃ろうなどの管を抜く

ご本人の安全が確保されないことや介護する人たちにとっては、

後始末の負担やストレスが増えてしまいます。

このような行動があったときに使われる用品が『ミトン』です。


『ミトン』は袋状になっている手袋のことで、

『ミトン』をつけることで自傷行為や弄便などの

周囲への迷惑行為を防ぐ用具とされています。

介護施設での『ミトン』

介護施設で『ミトン』は身体拘束となるため、

さまざまな工夫を行い生活を支援します。

しかし、それでも難しい時に使用するには条件が付けられています。

まずは、介護施設で行っている工夫についてみていきましょう。

『ミトン』を使わない工夫

介護施設でも、実は下記のような行動には、いろいろと工夫が必要になります。

  1. 自分の体をただれるほど掻く
  2. おむつを外してしまう
  3. 自分の便を触る
  4. 点滴や胃ろうなどの管を抜く

1.自分の体をただれるほど掻く

高齢者の皮膚は、細胞分裂の減少で表皮が薄くなることや

皮脂の分泌が少なくなることで乾燥し、

外部からの刺激にとても弱くなります。


その状態で、おむつやパッドの着用を行うので、強いかゆみを伴います。

また、糖尿病の方も多く全身のかゆみを訴えられます。

掻くことで一時的なかゆみが治まるため、

気になるところを掻き始めただれても止めません。

このような行動には、皮膚を保湿するクリーム

塗ることや清潔にすることが試されます。

それでも、効果のないときには、

主治医に相談しかゆみ止めの処方をお願いすることになります。

かゆみ止めは、すぐには効きませんが2.3週間ほどすると効き目が出て、

徐々に掻くという行動が少なくなります。


2.おむつを外してしまう

おむつ外しの行動は、おおむね汚染しているときに多いように思います。

便だけではなく尿のときにもあり、

気が付いた時には一式が汚染している状態です。

このような行動には、排泄の管理がとても必要です。

排便があったか、水分はどれぐらい摂れていたかを確認し、

おむつ交換の回数を変えていきます。


3.自分の便を触る

便が体についている状態は、誰しも不快なものです。

体についている不快なものを取るために、便に触ってしまいます。

触るだけではなく、その手についた不快な便を

周囲のあちこちにつけてしまうのが弄便です。

介護者にとっては、ストレスとなる行動です。

このような行動には、排便を促す支援が必要です。

繊維のある食事を心がけることや、

腹部のマッサージやホットパックなどで腹部を温める

起きたときに冷たい水を飲んでもらうなどです。


下剤を飲む、座薬を使う方法もありますが、

排便のサイクルを知り薬に頼らない方法を考えたいものです。


マグネシウムは下剤としても使われますが、

整腸剤でもあるのでマグネシウムから調整するのが良いと思います。

マグネシウムを調整しながら、

水分をたくさん摂るようにすると案外排便を促すことができます。


4.点滴や胃ろうなどの管を抜く

体についている管は、気になるものです。

点滴や胃ろう、酸素、導尿など体につけらる管は、いくらでもあります。

ご本人にとっては、じゃまな物でしかない管は、

抜いて外したくなるのでしょう。

このような行動には、目につかないようにすることしかありません。

鼻についた管は、特にやっかいですぐに抜かれてしまいます。

見えないように、テープで押さえても気になりますから、あまり効果はありません。

後は、「つける」と「外す」のいたちごっこを繰り返します。

服で覆える管は、衣類の中に通してしまいます

介護施設で『ミトン』が使われる条件

介護施設で身体拘束とされる『ミトン』ですが、条件を満たしているなら使用することも可能です。

  1. 切迫性  自分や他人を傷つける危険がある
  2. 非代替性 他に方法がない
  3. 一時性  短い時間を想定する

2018年より介護施設の身体拘束を防ぐため

『身体拘束廃止未実施減算の制度』が設けられました。


上記の3つの要件を満たさずに、身体拘束を行った場合に減算の罰則を設けたのです。

しかし、介護をする上で工夫しても避けられないこともあります。

『ミトン』についても、その使用にあたっては、必要性の検討を重ねることや『ミトン』を使う理由や様子などを記録することが義務付けられています。

在宅介護で使われる『ミトン』

介護施設では規制の強い『ミトン』ですが、

ご自宅で利用される場合は頻雑な書類の提出はありません。


社会的に身体拘束が問題となって、

『ミトン』やつなぎ服を利用するご家族には、

「これって、身体拘束なの?」「使っていいの?」などの不安もあると思います。

実際に『ミトン』を使っている方の声を拾ってみました。

在宅で使われる『ミトン』のワケ

(前略)目を離すとミトンを外し、身体を掻いて血まみれになったりオムツの中に手を入れて、パジャマどころか、お布団全てを汚物まみれにしてしまいます。(略)

くも膜下出血の後遺症で、認知度が低下し、口から食べる事が出来ず鼻腔経管で、管を抜いてしまう為、ミトンを装着しています。これからの事を決めるようにいわれたのですが、鼻腔経管なので特養はだめ、(中略)老健もミトンをしてるので、身体拘束でだめといわれました。(略)

出典:Yahoo!知恵袋

この他に、『ミトン』を使っていて、「身体拘束になりますから止めて下さい」と言われる方もいました。

在宅介護の悩み 『ミトン』は必要か

 『ミトン』の使用にあたっては、賛否両論あると思います。

介護施設で働く職員としては賛成しかねる物ですが、

ご自宅での介護は、逃げ場や離れることのできない状況ですので、

必要に応じては使ってもよいのではないかと思っています。


私が以前、介護の認定調査をしいて、老夫婦のご家庭を訪問したときのこと。

ご主人が認知症の奥様の介護をされていました。

玄関先から異臭の漂うお宅です。

ご主人は「便を触ってあちこちにつける」

「片付けても片付けても同じことをする」

「もう疲れた、こいつを殺して、俺も死にたいよ」

そんな話をされていました。

ご自宅で介護をする大変さを、その時深く知ることができました。

利用できるものは、利用してよいのではないでしょうか。

『ミトン』は介護保険を利用できません。

ですので、全額自費扱いとなります。

ご家庭で利用を考えているときは、インターネットで購入すると早く手に入ります。

まとめ

介護施設で工夫していること

  1. 自分の体をただれるほど掻く スキンケア・皮膚の清潔・かゆみ止め
  2. おむつを外してしまう    パッドの交換をこまめに行う
  3. 自分の便を触る       排便をコントロールする
  4. 点滴や胃ろうなどの管を抜く 見えないようにする・衣類の中に入れる

ご家庭でも試してみて下さい。

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