認知症の方に暴言を言われたときは、恐怖を覚えたり威嚇したくなる気持ちになることはありませんか。認知症の対応をすることが多い職員さんが、利用者さんに暴言を言われたときの対応をご紹介します。
暴言「殺してやる」と言われたら
入浴介助をしていたら、
突然「殺してやる!」って怒鳴り出したの・・
さっきまでご機嫌で、
今日の入浴は大丈夫って思ったんですけど・・
認知症の利用者さんに、「殺してやる!!」など暴言を言われたときは、その場を離れるのが一番の対応策です。
暴言の後、一呼吸おいて落ち着けるのならケアを続けることも可能ですが、そのような時は、利用者さんの気持ちが落ち着いていないものです。
ましてや介護者がムカムカしている状態では、改善は見込めません。
説明や説得は、悪循環を招くだけです。
即座にその場を離れ、他の職員さんに対応してもらいましょう。
認知症で暴言のあるとき
いったい何が悪かったのかしら?
職員には気づけない、
利用者さんの気持ちに変化あったのかもしれませんね。
認知症の症状で暴言がある方の場合、「感情が繊細である」と考えることもできます。
「感じやすい」→「反応しやすい」という場合もあるからです。
感じやすい場合、悪い思い込みにつながることもあり「私に悪意を持っている」「私の敵だ」と連想してしまうのでしょう。
認知症の方は、感情にとても敏感です。
周りの環境や職員さんのちょっとした態度・言葉を敏感に感じているのかもしれません。
認知症介護は振り返りが重要
そういえば入浴嫌いだから、
行き先を言わずに連れ出しちゃったわ・・
どこに行くのかわからず
不安だったのかもしれませんね。
介護でありがちなことですが、介護者のペースで事を運ぼうとすると暴言を誘発してしまう可能性が高くなります。
感情が敏感な方の介護は、繊細な対応が必要です。
突然の暴言には、ご本人なりの理由が潜んでいるからです。
対応を振り返ることで、「○○が原因かも・・」ということがあれば改善していきましょう。
この時、振り返りを行わず同じケアを継続すると、利用者さんの感情に「私の敵!」というイメージがインプットされてしまいます。
家族対応が難しくなるのは、このインプットが重なるためです。
私たち介護職は、その場を交代できる職員が他にいます。
イメージが固定されてしまう前に、「お互いの距離を置く」のはこのためなのだと思います。
なんとなく原因はわかったけど、
「殺してやる!」なんて言われると、切り替えが出来なくて・・
ここで、介護職だから出来る切り替えの方法をご紹介します。
介護職だから出来る暴言への切り替え法
暴言を言われてモヤモヤ・イライラしたときは、他の利用者さんやご本に見えないように、後ろに回り「アッカンベ~」をしてみてください。
「え~っ、くだらない!!」と思うでしょうか。
でも、これって効果的なんですよ。
感情を押し殺すともちろんストレスになりますし、同じ暴言を口にすると汚い言葉が自分の気持ちに入り込んでしまいます。
自分の感情を殺すことなく、モヤモヤした気持ちを吐き出してしまう方法です。
この方法は、個人的に行っている方法で推奨できるものではありませんが、思いっきり「アッカンベー」をした後は、スッキリして切り替えができますよ。
その場を離れても、モヤモヤが消えないときに試してみてください。
まとめ
認知症の利用者さんに「殺してやる」と言われたら、一呼吸おいてその場を離れましょう。
認知症介護を続けてみて、この方法がやはり一番適切です。
自分の気持ちが落ち着いたら、原因を探り同じことを繰り返さないように心がけていきましょう。
とはいえ、介護職といえども感情を持つ人ですから、原因を探るどころか気持ちが落ち着かないこともあります。
そんな時は、切り替えの方法を自分なりに見つけていきましょう。
適度にストレスを発散させることが、虐待という悲劇をおこさない方法です。
ちなみに・・・
私流の発散法で思いっきり「アッカンべ~」をした利用者さんが、「あなた食べなさい」なんておやつを差し出したりすると、なんだかジ~ンときて「また頑張ろう」と思ったりします。
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