あまり見かけない介護の椅子って、どのようなものでしょうか。立ち上がりを補助する椅子で、足の不自由な方やリウマチの方が使うと便利な福祉用具です。介護保険のレンタルが行えますから、介護保険の利用も考えて検討してみましょう。
『介護椅子』どんな人が使うの?
『介護椅子』とは、『立ち上がり補助椅子』『電動昇降椅子』のことで、床や椅子から立ち上がりやすい体制にするための介護用具の椅子です。
ある程度の高さからは、自分で立ち上がる必要がありますが、動作の難しい高齢者や、足の不自由な方・リウマチ等で自力での立ち上がりが出来ない方をサポートします。
立ち上がりやしゃがみ込む動作を補助するため、ご本人の動作の負担やご家族の介助を軽減することができます。
介護椅子のメリット
歩く機会を増やす
長時間座り同じ姿勢でいることは、体に負担がかかり、筋力が低下し関節が固くなるなど、様々な弊害が生じます。
立ち上がる動作を補助することで、立つ・歩く機会を増やし自分で行えることを維持できます。
手や腕にやさしい
足の筋力が低下してくると、それを補うため手を使って立ち上がりを補助します。
椅子の肘掛けに手や肘を置いて、荷重をかけて前かがみの姿勢をとるわけですが、立ちやすい位置に座面があるため、手にも多くの力を使わなくて済みます。
立ち上がりやすい介護椅子の種類
立ち上がり補助椅子
立ち上がりには、椅子に座った状態から、上半身を前に傾けて重心を前に持っていく必要があります。
その動作を補助する立ち上がり補助椅子には、次のものがあります。
電動式 電動で椅子全体を前傾にする
スプリング式 座面がばねなどの力により前傾するもの
電動昇降椅子
手元のスイッチで、椅子の座面の高さを調節します。
自分にあった高さにして、立ち上がりをスムーズに行います。
介護椅子には、据え置きタイプの他に、キャスタータイプがあり移動も可能です。
その他の機能には、リクライニング機能(背もたれを倒せる)座面の回転機能などを備えているものもあります。
介護椅子を使うときの注意点
安全に使う
殆どのものに肘掛けがついていて、固定タイプと跳ね上げタイプがあります。
また、回転するものキャスター付きのものなど、人の動作を用具が代行するため、用具が動いている途中で指を挟んだり、転落する可能性もあります。
機能を十分に理解する
従来のもには、高さ調節が終わるまで30秒かかるものもあり、時間がかかるからと高さを合わせる前に、立ち上がるのでは十分に役立ちません。
使用前には、取扱説明書を読んで正しく使いましょう。
介護保険を利用する
購入はできないが、レンタルはできる
介護椅子は特定福祉用具(購入できる福祉用具)の対象外です。
そのため、介護保険を使っての1割~3割での購入は行えません。
その代わり、福祉用具貸与(レンタル)の対象となっているため、介護保険で借りることができます。
介護保険では、介護椅子は移動用リフトとして扱われています。
気になるレンタル料金
立ち上がり補助椅子は、レンタル月額料金が10,000円前後ですから、1割負担の方は1,000円程度です。
電動昇降椅子は、レンタル月額料金が15,000円前後ですから、1割負担の方は1,500円程度です。
介護認定で要介護2~5までの方が、利用できます。
機種によって料金に違いがありますし、軽度の要介護者でも必要性があればレンタルが可能になります。
レンタルを希望されるときは、担当のケアマネージャーにご相談ください。
※おおよそのレンタル料金(2019年2月現在)
さいごに
介護の椅子には、立ち上がり補助椅子や電動昇降椅子があり、介護保険でレンタルできます。
介護用品としては、あまり馴染みのない福祉用具ですが、立ち上がりが難しい高齢者や足の不自由な方・リウマチの方には重宝な福祉用具ですので、必要な方は利用してみましょう。
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