2019/8/15

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介護士アラカルト

闇から救い出せ!緑内障を患う認知症の人の心

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認知症になると、分からなくなることが多くなりまり。「どうしたらいいの?」といつも不安がつきまとうものです。それに加えて緑内障の症状があると、闇は心だけでなく体にもつながって、不安を増大させてしまいます。

今回は、グループホームに入居した緑内障のある80歳代の女性のおはなしです。

認知症&緑内障 その闇

『緑内障の闇』と『認知症の闇』

見えづらい

『緑内障』とは視神経に障害が起こり、見える範囲が狭くなったり見えない部分があったりする症状がでてきます。失明にもつながる恐ろしい病気です。

彼女がグループホームに入居したときは、「見えづらい」と訴えることが多かったのですが、食事を配膳するとその献立は見えているようでした。自分で箸と茶碗を持ち、自力で食事も出来ていたのです。

すぐに疲れる

視界からの情報は8割程度と言われています。起きているうちは、見ることによって情報を集めるのですが、見えづらいと神経を集中しなければいけないのだと思います。彼女はそのうち、疲れることが多くなり「部屋に行きたい」と日に何度も訴えるようになりました。

包み込む不安

彼女の記憶は、幾分保たれているようでした。介護士が昭和を彩った女優の訃報を伝えると、「あらっ、気の毒に。活躍したものね」と往年の女優の死を悼みます。

彼女の不安は、記憶が薄れていくことよりも、見えなくなる不安のほうが重要でした。夜には電気をつけたまま就寝し、寝るときでさえメガネを外しません。そうしなければ、不安で不安でたまらないのです。

緑内障の進行

見えない部分

彼女の緑内障は、緩やかにその症状を進ませます。白内障も併発しているせいか、白っぽく見えていた状態から、だんだんと見える部分が狭くなっているようでした。両サイドの見える部分が少ないせいか、食事を配膳しても皿に気付かないようで、食事を残していました。

黒いものが見える

配膳を変えたりして時が過ぎたころ、手引きでの歩行を介助しているときに、介護士が彼女に見え方につて聞いていました。「黒く見える部分がある」と彼女は言っていたそうです。

定期的に眼科を受診し、日に4回も目薬を点眼しても、進行は止められないようでした。見え方の症状の訴えは、日によって変わることがあり、「見えない」と言って食事の箸を取ろうとしないかと思えば、好物のおやつがでると進んで食べたりしています。

闇は『見え方』ではなく『心』にある

「見えてるよ!」

好物を進んで食べる様子を見て、介護士たちは「見えてるよ!」「おやつの羊羹は自分で食べたもん」と言う話になっています。彼女に確かめようとしても、話が面倒になると「もういいから」と中断させてしまいます。

「どうしたらいいの」「見えません」「寝かせてください」と訴えが日に日に増え、介護士たちは彼女の訴えにだけ答えるようになりました。

心の扉が開くとき

ある介護士が「もうすぐ十五夜ですよ」「お饅頭を作って食べましょうね」と、彼女に話しかけていました。十五夜という季節感のある内容と、饅頭という彼女の好物が重なった会話に、彼女は久しぶりに笑顔を見せていました。

周りの介護士たちもうれしかったのか「いい笑顔ですねぇ」と彼女に近寄っています。この日は彼女にエプロンをかけて、台所にも来てもらいました。

「役には立たない」と言った彼女に、介護士は「一人で台所仕事するとつまらないの!話し相手になって」と誘います。エプロンと三角巾をつけた彼女を写真に撮る介護士もいます。

心が開くと・・それは自立につながる

食事はできるだけ自分で食べるようにと、はじめからの介助は行いません。箸が止まったときや全く食べないときに介助します。

この日の夕飯。彼女はほとんどを自分で食べました。やはり見えない部分があるようで、器に残っている部分もありましたが、器を何度も置いたり持ったりして、努力して食べているようでした。。

介護でいう『自立』とは、何でも自分ですることとはちょっと違います。『その能力に応じて行うこと』が自立なのです。

心が開く会話をすると、あなたの介護にも光が見えるかもしれませんね。

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