2019/8/15

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認知症の症状

認知症 嫁に向けられる被害妄想

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被害妄想

認知症状に物盗られ妄想というのがあります。主介護者へ向けられる妄想は、介護者を疲弊させてしまいます。介護認定調査でご家庭を訪問したときに伺ったおはなしです。

介護認定調査で訪問する

80歳代の彼女は小さいながらご主人と米屋を営んでいました。ご主人が他界された後は、長男ご夫婦が同居してくれ商売は閉めたということでした。

介護認定の調査の質問に多少、記憶のずれがありましたが、生年月日や居場所については、正確に答えることが出来ました。高齢特有の体力の低下も見られましたが、拘縮している様子もなく、コンピューター判定は要支援程度かなと言う感じでした。

認知の項目に物忘れなどあるようでしたが、問題行動などはありませんでした。

ひと通り聞き取り調査を終えたところで来客があり、お嫁さんが対応にでました。すると彼女は声をひそめて、調査員に言うのです。

「うちの嫁には、困ったもんですよ」「私の財布を盗むんです」「そのうち、この家も乗っ取られてしまうわ!」それはそれは、険しい表情で話します。

話が進みかけたとき、お嫁さんが戻ってきました。彼女は素知らぬふりで「今日はわざわざ、ありがとうございましたね」と、まるで今の話はなかったようにあいさつします。

今回の認定調査は新規の申請でしたから、経験上ご家族は認知の症状で困っているのだろうと想像できました。

認知症の初期症状

認知症の初期症状に多いのは、物忘れです。はじめは「あれがない」「これがない」と物を探すことが多くなります。そして進行すると、無いものは「盗まれた」というようにすり替わっていきます。

お嫁さんは何か言いたげでした。彼女には健康調査と言う名目で訪問するようご家族から希望がありましたから、彼女には「これで健康調査はおわりです」と告げ、残りは書類についてなので長くなりますからと、部屋で休んでいただくようお願いしました。

彼女が部屋に入るのを確認してから、お嫁さんに再度調査をします。「物忘れのことなんですが・・気になることはありませんか?」と尋ねると・・・お嫁さんは堰を切ったように、話し始めました。

「お財布を隠した」と言われること。また、ご近所にそれを言いふらすこと。この頃は、辞めたはずの商売が続いているとでも思っているのか「店を乗っ取られる」と、息子さんに話していることなど。「こんなに一生懸命やっているのに」と、お嫁さんは泣き始めます。

認知症の症状も今は、インターネットでいくらでも検索できるはずです。どうして、その症状に気付かないのだろうと思うのですが、日常の少しずつの変化がその異変に気付きづらくしているのかもしれません。

今回、健康調査を名目にして訪問をしてほしいと依頼したのは息子さんでした。息子さんも疑い深くなっている母親に、手を焼いていたのかもしれません。

症状を疑うときは、すぐに受診する

介護認定調査の仕事は、状況の把握です。「これは認知症状でしょう」と思っても、医師ではないのでその症状を断定することはできません。「忘れ物が気になるようでしたら、物忘れ外来というのがありますよ」とアドバイスしました。

彼女のコンピューターによる一次判定は要介護になっていました。その後、合議体でどのような判定がされたのか・・。日々の業務の多忙さに確認しませんでしたが、あのお嫁さんの悲しげな表情だけは、何年たっても忘れることができません。

悩みの渦中にいる人は解決の糸口を、自分たちだけで解決しようとせずに、外に助けを求めることは、必要なのだと思います。

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