ユニーク
介護は、「辛い」し「キツイ」しって思います。でも、楽しいこともたくさんあります。介護士だから、経験できるユニークな出来事を特集しました。
徘徊に困ったらこんな方法もある
台所カウンターが飲み屋のカウンターに変身
介護士:いらっしゃい!今日は、何にします。 男性利用者さん:う~ん。
介護士:ウイスキーがいいですか?それとも、日本酒? 男性利用者さん:う~ん。
介護士:今日は、ちょっと甘めの日本酒でいいのありますよ! 男性利用者さん:う~ん。うん!
男性利用者さんが台所にやって来るので、こんな会話を台所のカウンターでしています。
介護士:あら!今日は、お友達を連れてきてくださったの? 男性利用者さん:うん?
男性利用者さんの様子を見ているのか、偶然なのか他の男性利用者さんもやってきます。ウイスキーは麦茶で日本酒はスポーツドリンク。台所のカウンターにもたれかかって、男性2人はニコニコと飲み物を飲んでいます。
介護士:私もご馳走になろうかなぁ~。今日は黒ビールのいいのがあるのよ! 男性利用者さん:おうっおうっ!
飲め!飲め!と言わんばかりに、グラスを持ち上げて勧めます。言葉数が少なくなった利用者さんですが、この時だけはいつも嬉しそうに、何か言おうとしています。ちなみに、介護士が飲んだ黒ビールは、ブラックコーヒーです。
夕方の徘徊時間?になると、フラフラ歩き回る男性利用者さん。一杯のんでほろ酔い気分(気分だけ)になるのか、フロアを1周して自席に戻ります。
徘徊で日本を縦断!
介護士:あら!時間なの?行ってらっしゃい! 利用者さん:じゃぁね。
介護士:忘れ物ですよ。 利用者さん:なに忘れたかしら?
この利用者さんは、行商(商品を持って歩き小売する)をしていた方で、とにかく歩くのだそうです。フロアを何周もするものですから、介護士たちもちょっとうんざり。
おもしろい介護士がいて、その利用者さんに万歩計をつけたのだそうです。歩数から距離を割り出して、「日本縦断してもらう!」なんて考えたらしいです。うんざりする徘徊行動が楽しみになり、介護士みんなで応援したそうです。
万歩計をご本人に預けて見つからないことがあり、介護士が預かって「いってらっしゃ」でスタートするんだと言っていました。
高齢者介護はユニーク過ぎる
「アベック?」何のこと?
利用者さん:あのアベックだよ!アベック! 介護士:アベック?(何のことじゃぁ)
利用者さんとドライブ中に、歩道でイチャついているカップルを見つける。介護士は、こんな昼間にねぇと通り過ぎようとするが、利用者さんの怒りのような興奮はおさまらない。そして、「アベック」の意味がわからない。
「ご不浄?」何のこと?
利用者さん:ご不浄に行ってきます。 介護士:ご不浄?(何のことじゃぁ)
勉強不足なのかもしれない。「ご不浄」=便所だったのか~。「かわや」の方がまだわかる。それは、時代劇の見過ぎかもしれない・・。
年齢を聞いてみる
利用者さん:そろそろ帰らせていただきます。 介護士:これから暗くなりますよ。
利用者さん:母が心配するものですから。 介護士:ハハって母??
この利用者さんはもうすぐ100歳。こんな会話が始まると、年齢を聞いてみます。「17か18歳」と言われるときもあれば、「30歳くらいだったかなぁ」と言われるときもあるのです。若返ることが出来る瞬間です。
職業病かもしれない・・
看護系の家族がいます。
介護士:ねぇ!下痢続いてる場合ってさ、やっぱり脱水になりやすいかなぁ
看護系家族:注意したほうがいいよ。下痢って未消化なのぉ?
食事中に普通に会話が続きます。今日のメニューはカレーです。
夜勤だからあり得る
なぜか夜勤明けはテンションが高い
夜勤で一番つらい時間帯は、1時過ぎ。ときどき気を失うような気がする。ナースコールも気づかず、隣のユニットの介護士が慌ててやってくる。
朝8時。業務終了まであと1時間。「今日はなにしよう」「明日は休みだし~」やたらテンションが高くなる。
アゲアゲのテンション状態をみて、利用者さんが笑っている。
「ほら!あそこにいる」夜勤の幻視は怖すぎる
分かっていますとも。利用者のあなたはレビー小体型認知症。幻視が見えてお困りですよね。
この間は、亡くなったご主人が訪問されましたよね。伺いましたよ、その話。だって、大きな声で叫ぶんですもの。
でも、お願いです。「ほら!あそこにいる」って言って、私の後ろを指さすの・・やめてもらえますか。分かっているけど、とってもとっても怖いんです。
だって、指さす方の敷地・・お墓ですもの・・。「お願い!やめて~」