2019/8/15

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認知症の症状

「眠った気がしない!」悪夢に苦しむ利用者さんの経過を知る

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悪夢

レビー小体型認知症の方で、夜中に悪夢を見て大きな声で叫んだりする方がいます。ご本人にとっては恐ろしい夢ですから、介護士にとって心のケアも必要となります。そのような症状についての具体例を見ていきましょう。

レム睡眠障害

レム睡眠障害とは

入眠し始めた眠りの浅い状態を、レム睡眠といいます。この状態で夢を見ることが多いのだそうです。

レム睡眠のときは、視覚感覚はまだ活動している状態ですが、判断力などの思考活動は低下するため、実際にはありえないような内容の夢を見ます。

レム睡眠を経て深い眠りであるノンレム睡眠に入るわけですが、レム睡眠の状態が長かったり、ノンレム睡眠の状態が短かったりすると、「眠った感じ」を実感できなくなります。

レム睡眠障害があるレビー小体型認知症

認知症対応のグループホームに70歳代の女性が、レビー小体型認知症と診断をうけて入居されました。

入居日、この方は意識が混濁していて、ご自分では歩くこともままなりませんでした。午後に入居されましたが、この日は食事を摂ることもなく朝まで眠っていたのです。

翌日、意識がはっきりしたのか声掛けに反応も良く、すっきりとした表情で起床されます。

記憶の状態も良好のように見えます。昨夜、声掛けの反応がなく寝入っていたことを伝えると、ご自分でも驚かれていました。

レム睡眠障害の実際

「バカヤロー」と叫ぶ

その夜から毎晩のように、夢を見て叫ぶ状態が続きます。「バカヤロー!」「何すんだ!」居室からフロアにまで聞こえるような大声で叫びます。

ご本人の話では、誰かに襲いかかられる夢だったり、引きずられる夢を見るのだそうです。大きな声を出して抵抗するわけですが、そのご自分の大きな声で目が覚めるのだと言います。入居当時は一晩に2~3回そのようなことがありました。

入居のきっかけ

入居されたきっかけは、夜間に無意識の状態で外出し大きな堀に落ちてしまったことです。ご自分では落ちてしまったと話されますが、ご自分の背丈より高い堀に落ちた状態でも、骨折などの外傷はなかったということです。

似たようなことが入居して1ヶ月の経たないすぐの頃にもありました。夜間の巡視で姿が見えず介護士が探しました。居室の窓を開けて中庭へ行き、排泄中だったのを介護士が発見しています。

窓下から土台までは40~50㎝あると思いますが、転倒することもなく外へ出ています。しっかりと窓を閉めて出ているので、寝ぼけた状態とは思い難いのです。

しかし、見つけた介護士が声をかけたときは、声掛けにはっきりとした返答がなく、寝ぼけたような状態だったと言います。

外傷などの確認を終わるころ、ご本人の意識がはっきりとしはじめたので、お話を伺うと、「息子がこっちへ来いと言い、強引に引っ張って行かれた」ということでした。

主治医に報告すると、処方が変更されました。その後、同じようなことはありません。夢を見て大声で叫ぶことが、少なくなり半年後には居室からの声は聞こえなくなりました。

睡眠への不満

夢ばかり見て眠れない

叫ぶことがなくなりましたが、『悪夢』は続いているようでした。動物に噛まれそうになる夢や火事で追い込まれる夢など、恐ろしくて目が覚めると言います。

夜間の巡視のときには、閉眼しているため『入眠中』となりますが、ご本人は『夢ばかり見て眠れない」と訴えられます。

この頃、日中にあくびをする様子が増えました。

薬の効果

定期受診のとき、この利用者さんが訴えたのは『眠れない』ことです。そこで処方が変更になります。

主に睡眠導入剤の変更や量の調整です。導入剤は感情を安定させ心をリラックスさせることで、入眠を促すお薬です。

効き目があるのか、入眠を始めると寝息をたて寝入っていますが、午前3時頃になると目が覚めるようで、トイレに行っています。

誰かと話をする

ある程度、睡眠状態が安定したようなので安心していました。恐ろしい夢は『結婚式に行く夢』だったり『お友達と会う夢』に変化していました。

しかし、気になるのは「毎晩誰かと話をするんだよ」というご本人の言葉です。特定の人物であることも見知らぬ人であることもあるそうです。

環境にもなれ、ご自分のペースをつかめるようになり、お茶の時間や食事にはフロアに来られますが、居室で眠っていることが増えました。

症状の進行

レム睡眠障害による症状で、悪夢を見て『大声で叫ぶ』状態や、『実際にはいない誰かと会話する』ことは、一般にはレビー小体型認知症の初期症状と言えます。

9ヶ月が経過した現在では、特定のことへのこだわりが強くなり、妄想と思える症状が出現しています。

介護士たちの取り組みとしては、日中の活動を増やすこと、役割を見つけて頂くこと、気分転換に他のユニットへ足を運ぶことなどを心がけています。

対人トラブルも出ていますので、心理的な他のフォローにも気を配っています。

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