介護士の転職
介護の仕事においても、人間関係や職場の雰囲気は重要です。嫌な人や嫌な状況があると転職を考えますが、問題の改善にはつながりません。転職を考えたときに心得ておいた方がよい対応を見ていきましょう。
介護士として良くなりたいのかを考える
重要でないミス
介護の仕事に100%を求めると人間関係はいびつになります。排泄介助をしてリハビリパンツの尿汚染を見逃してしまう。記録の一部を書き忘れてしまう。
どれも日常的に起こしてしまいがちなうっかりミスですが、これらをキツク咎められると、仕事をしようとする意欲が半減してしまいます。
重要なミス
意図せずにおかしてしまいがちミスには、利用者さんの薬の飲み忘れ、ふらついて歩く利用者さんが、立ち上がったことを見逃してしまう。など
注意していれば防げることですが、業務が重なったり介護士の体調が悪い時など、不注意でおきてしまいます。
これらを指摘されるときは、自分でも反省しているため仕事に対する自信を無くしてしまいます。
根本を考える
注意を受けたときにきつい口調で指摘されると、自分でおかしたミスを反省するより、反感の感情が沸き上がってきます。
注意をした相手のミスを連ねてみたり、辞職することを考え始めます。
相手を責めたり、その場を逃げることを考えたとき、まずはこの仕事を続けるべきかを考えましょう。
重要なミスもそうでないミスも、上記のようなミスは介護の仕事にはありがちなことです。他の業種への転職なら同じことは起こりませんが、同業種であれば必ずつきまとう問題です。
介護業界で仕事を続けても、この職場ではやっていられないと考えたとき、自分を向上させてからの転職でも遅くありません。
転職に向けて一歩を踏み出す
目的をもって行動する
「この職場ではやっていられない」と考えた方におすすめするのは、まずは今の問題を解決することです。
嫌な人・嫌な状況は、どこの職場にもあるのもです。希望した転職先に嫌な人・嫌な状況がないとは限りません。
しかし、給与・休日・勤務体制は事業所によって違いますから、今の職場よりも条件の良い転職を希望するなら、自分の行動に目標が定まります。
今ある問題を解決することから始まる
先日、他の事業所に転職した職員が戻ってきました。給与条件の良い職場を探したと言っていましたから、気持ちよく送り出したのですが、3ヶ月もしないうちに戻ってきました。
その介護士は「人間関係で病んでしまいそうだった」と周囲に漏らしていました。しかし、戻った事業所の給与体制には不満があるわけですから、いつかまた転職を考えるでしょう。
目的を持つことの大切さ
目的を決めると目標が定まる
人間関係の良い職場を目的にしてしまうと、理想の職場は見つけにくくなります。自分の考えと同じ人ばかりではないからです。
良い人間関係を目的とするなら、今の職場での改善を考え行動しましょう。嫌な人に対応できるなら、大概の職場でも適応できます。
嫌な状況を無くすことを目的とするなら、自分の業務に対する姿勢を見直しましょう。ミスはなくせませんが、確実に少なくすることを目標にします。
条件を目的にするなら、スキルを磨きましょう。なんとなく行うケアというものには、人を説得する力がありません。自分で行うケアに根拠付けをすることを目標にします。
新しい自分を作る
「頭にくる」「分かってもらえない」などの感情がある時は、なかなか先に進めないものです。
しかし、今の状況を良くしたいと思ったとき、人を批判したり愚痴をこぼしても、状況は悪化するばかりで改善にはつながりません。
煮えくり返るような思いをしていても、「こうなりたい自分」という目的をもてば、こころの中で舌を出しながらでも謝ったり反省できるものです。
問題を乗り越えると自信を持てる
批判や愚痴から状況の改善は見込めませんが、問題を乗り越えられる習慣をつけると自信が生まれます。
今の職場で改善が見込めれば続けるのも良いでしょうし、向上を目指して転職しても適用できます。
未経験の派遣社員が入職したとき、職員の間に不満が生じていました。仕事が遅い、気が利かないとかなりのバッシングがあったのですが、この派遣社員が4ヶ月経過した頃、とても向上していました。
申し送りが丁寧で、利用者さんの対応に拒否がなく、先手先手で業務をこなします。
その派遣社員は契約終了となります。「申し送りが丁寧だね。どこの職場でも大体同じだからね」と応援してあげました。きっと新しい職場でも、良い仕事をするだろうと思います。
自分にとっての良い職場は、その事業者にも必要な人材として受け入れられます。転職を考えたとき、どの事業所でも必要とされる人材である自分を作ることが、自分にとってのステップアップになることをこころに留めておきましょう。