あなたの施設では、誕生会をしていますか?高齢になりご自分の年齢を答えられないかたでも、誕生日は案外覚えているものです。誕生日に付きものなのが、ケーキとプレゼントです。ほぼ0円で出来るプレゼント用のケーキをご紹介します。
台所に眠る魔法の粉
超簡単バースデーケーキ
これはとっても簡単なバースデーケーキです。台所に眠っているホットケーキミックスの粉を使います。
材料を混ぜて炊飯器のスイッチを入れるだけで出来上がり。
材料
- A:ホットケーキミックス 200g
- A:ココア 大さじ2
- B:長いも(すりおろす) 100g
- B:牛乳 150ml
- C:卵 1個
A、B、Cをそれぞれを混ぜ合わせてから、一つにまとめて混ぜ合わせます。
炊飯器のお釜に少量のサラダ油を塗り、一つにまとめた材料を入れてスイッチを押すだけです。
炊飯が終わったらすぐに皿に取り出します。
長いもは、献立に出たときに100gだけストックさせてもらいましょう。
あるものでデコレーション
かぼちゃがあれば、皮をむいて砂糖を加えて煮ます。
煮えたら一度こし器(なければ金具のざる)でこします。
それに牛乳を加えて滑らかにし、絞り器にいれホイップクリームのようにデコレーションします。
誰でも出来ます!
男性でも失敗しない
ホットケーキミックスを使い今まで苦戦していましたが、長いもが入ることで全体にしっとりとして、高齢の方でも食べやすいです。
ベーキングパウダーを加えると、いくらかふんわりするのですが、やはり高齢者にはパサつくので食べにくいようでした。
デコレーション用にかぼちゃのクリームを作りましたが、面倒なら市販のホイップクリームで、すぐに絞れるタイプのクリームがありますから、そういったものを使う方法もあります。
材料を合わせるだけなので、男性の方でも大丈夫。
デコレーションはアイディアしだい
ケーキ用の粉砂糖をふりかけると、ココア生地に雪が降ったようになりきれいです。
もちろん予算があるなら、フルーツをモリモリのせるともっと豪華になります。
ケーキ用の飾り花を添えるのもステキです。
一生に一度の誕生日
信じられん!その発言
今月は誕生日の方が多かったので、同じ誕生月の居室担当者に「誕生会をどうしますか?」と持ちかけると、「やるの?前まではやってなかったんだけど・・」と言うのです。
「なな・・なんですと!」こういっては申し訳ないけれど、年齢も年齢ですよぉ・・来年同じ日を迎えられる保証はないですよぉ。
ご存知ですか?高齢になると年齢は覚えていられなくなります。というか、覚えていない方の方が多いのです。しかし、誕生日は認知症が中程度であっても、覚えている方も多いのです。
生まれてきた日というのは、今まで生きてきた何十年の月日より重要だということなのでしょうか?不思議なものです。
結局やや強引に、強行させていただきましたが、もう一人の居室担当者の介護士も協力してテーブルのセッチングやら造花の飾りつけをしてくれました。
88歳を過ぎてからの誕生日
私はグループホームに勤めていて、誕生日にお祝いに来られるご家族やそうでないご家族を見てきました。
高齢になってからの大きな節目のお祝いとして、88歳の米寿のお祝いがあります。88歳を過ぎると99歳の白寿のお祝いまでは、大きな節目はありません。
ご家族にもいろいろな考え方の方がいて、「大きなお祝いをすると体調が急変する」と言って(ジンクスのようなものらしいですが)お祝いをしないご家族もいました。それも、考え方の一つなのだと思います。
確かに、私の祖母は米寿の祝いを家族総出で行った翌年、他界しましたからマンザラうそではないかもしれませんが・・・
92歳で送られた花束
92歳という年齢は、ちょっと中途半端な年齢です。誕生日を迎えられた92歳の利用者さんに「おめでとうございます」とお祝いさせていただくと、照れていました。
その日ご家族が面会に来られ、キレイな花束をプレゼントされていました。プレゼントしていたのは、お孫さんです。ご家庭の事情で、ご両親の代わりにこの利用者さんが育ててこられたそうです。
この利用者さんもご家族にとって、大切な人なのだなぁと思うと嬉しくなりました。
ご本人は「90も過ぎて、何がめでたいんだかなぁ」と言って笑っていました。とそれを聞いて、「うん?どこかで聞いたことあるなぁ」と考えてみたら、佐藤愛子さんの「90歳なにがめでたい」という本がありましたね。
ユーモアで老いることの生活を描いたエッセーです。良かったら一度読んでみてください。