介護 キツイ
「介護は楽しいこともある」と聞いて介護の仕事を始めたのに、現場ではキツイことばかり。そんなふうに思っている新人介護士さんに、ぜひ知っていただきたい、介護のコツを3つのパターンから紹介します。認知症の理解にもつながります。
利用者さんの拒否がキツイ
排泄介助の拒否
排泄を拒否する利用者さんには、理由があるものです。オムツを交換すること自体がわからない場合や羞恥心がばる場合、自分で出来ると思う場合など様々です。
拒否される場合に必要なことは、突然介助しないことです。拒否があることが事前に分かっていれば尚のことだと思います。ゆっくり会話をはじめて利用者さんが、耳を傾けはじめてから介助しましょう。
「嫌だ」「止めて」といったら、一旦止めましょう。「そんな待ってる時間はない」と思われるかもしれませんが、そこで強引に介助するとその後はもっと厄介です。強引に介護をすることで、利用者さんはますます拒否が強くなります。
介護の拒否は、利用者さんが介護士を受け入れていないという状態です。受け入れてもらう工夫が必要なのです。
- 介助する前に、シッカリと利用者さんの目を見て話をする
- 声掛けに返答があったか確認する
- 利用者さんのリズムに合わせる
難しい介護技術も必要かもしれませんが、このような対応の方がはるかに拒否が少ないのです。
新人介護士が拒否の多い利用者さんの排泄介助を、なんなくこなしていたのでコツを聞いてみました。新人介護士は「ウマが合うんですかねぇ」と言っていたのを思い出します。
先輩介護士たちは「もう立てなくなったんだよ。2人介助じゃなきゃできない」といった状況でした。
「ウマが合う」とはリズムを合わせているということです。入職3ヶ月目の新人は、技術もままならない知識もない状態でしたが、先輩たちよりリズムの合わせ方がうまかったのでしょう。
薬を飲みたがらない
認知症が進行してくると、薬を飲んでもらえないことがあります。悪戦苦闘したあげく口から吐き出されたら、肩の力も抜けてしまいます。
一般的な方法には
- 錠剤を粉にする
- ゼリーやトロミをつけて混ぜる
- 苦みのある薬は甘みをつける などがあります。
おススメは、医師から処方されたことを伝える方法です。認知症でも、理解力はあります。薬の袋にお名前が書かれていますから、ご本人にお名前を見せて「先生が出してくれたお薬です」と話すと飲んでいただけることもあります。
説明をしないで、口の中に入れられたら「なんだこれ!」と口から出せても不思議はありません。
「わからない」を前提に介護すると、介助に拒否が多くなると思います。
先輩介護士の指導がキツイ
先輩の言い方がキツイ
言い方がキツイ人っていますよね。しかも、人によって言い方を変えるなんて、本当に残念です。
そういった人への対応は、簡単です。「相手にしないこと」です。泣くほどひどいことを言われたとしても、忘れてください。
相手は変えることができません。気の毒にその人の性格は変わらないのです。
あなたの問題は、その先輩を頼っていることです。「コンチクショウ」と思うぐらいの気持ちを持って、介護技術を磨きましょう。
介護士の先輩が嫌がっている介助を進んでこなし、技術を磨いてください。そして、自分の経験を活かして新人には親切に対応することです。
技術を習得したら、職場を変えましょう。この業界の求人は山ほどありますし、あなたが経験したことは、無駄にはなりません。
細かいことまで注意される
記録が抜けていた、ゴミを捨てていない、私物を置きっぱなしなど、いちいち細かいことを注意されたりします。
そんな先輩は、「親切なのだ」と思いましょう。あなたが転職した先でも、同じことがあれば注意されます。
人に注意するというのは、実にエネルギーが必要なのです。「そんなエネルギーを使うぐらいなら、私は自分でやってしまいます。」そんな薄情な先輩より親切なのかもしれません。
「無料でレクチャーされている」と思えば、腹も立たなくなります。そして、そういう先輩は、仕事をキチンとこなせば、うるさく言わなくなります。
夜勤がキツイ
夜に不穏になる利用者さん
夜中の2時3時になると、覚醒してしまう利用者さんがいると、とても残念な夜勤になります。
介護士の身体状況もダウンし始めるころなので、適当に対応してしまいがちですが、その適当な対応がさらなる悲劇を招きやすいのです。
居室に案内しても、10分も経たずにまた起きてきてしまう。こうなると利用者さんは、1時間は寝付けません。
まずは、10分話を聞きましょう。上の空で話を聞くと利用者さんはすぐに気が付きますから、シッカリと耳を傾けてあげましょう。
利用者さんは夜間に目覚めると、とても不安になるのです。なぜここにいるのか、ここはどこなのか、分からなくなっています。
話を聞いてもらい安心できれば、「またぐっすりと眠ることができるのだ」ということを覚えておきましょう。
眠気に負けそう
夜勤に睡魔が襲いかかる時間は、人それぞれのようです。夜勤のお供におススメな商品は
- ドリップ式のブラックコーヒー
- ブラックチョコ
- キシリトールガム
それでもダメなら
- ストレッチ
- ツボ押し など
おススメは、ストレッチを兼ねた掃除です。日中には出来ないようなところをお掃除します。
きれいになって気持ちがいいですし、気が付いてくれる仲間には感謝されます。
まとめ
介護がキツイと思う内容は、人それぞれだと思います。介護の拒否であったり、人間関係であったり、夜勤のこともあります。
介護の仕事をしていて、「これは奇跡だ」と思えるような利用者さんの回復を見たとき、介護の仕事が好きになれるような気がします。
そんな経験にぜひ出会っていただきたいと思います。